配電自動化の未来

配電自動化とは配電線の各開閉器を自動で操作し、設備事故による停電の早期復旧や

平常時の系統運用の効率化を図る配電システムです。

現在の配電自動化は昭和50年代に運用が開始された時限式事故捜査方式がその始まりです。

従来の系統開閉器に時限機能(自動で送電を開始・・遮断後自動投入)を付加したものです。

ただし時限式事故捜査方式では一部の系統開閉器を現場で有人(手動)操作する必要が生じました。

配電線に制御信号を重畳して系統開閉器を配電制御所からの遠方制御を可能とした

現行の配電自動化システムに改良され、運用が開始されたのは平成3年のことでした。

現在では制御監視から更に計測を行う系統開閉器や機器が運用を開始しています。

ある配電系統@(配電変電所〜E・F内)があります。

通常系統@は3ルート程度がループ(隣接線として)各セクションで開放(閉)しています。


1・・B〜C間で設備事故が発生して全系統(E・Fまで)が停電しました。

(配電変電所の系統@自動切り離し)

2・・ただちに開閉器の時限機能(順送)により、配電変電所〜B(紫色)までの送電が開始されます。

(配電変電所の系統@自動復旧開始)

配電変電所〜B間は復旧しました。


3・・老側であるC〜E・F(橙色)の送電を行うために、別系統のEまたはFを投入(開)する必要があります。

(配電変電所の系統@以外の系統(隣接線)から自動復旧開始)

初期の時限式事故捜査方式では、自動投入(2)のみであった為に、3の操作を有人(現場で昇柱操作)に頼る必要がありました。


4・・現行のシステムでは遠方操作が可能なことからEまたはFの投入(開)やCの開放(閉)を

2の後に有人に頼らず速やかに制御(操作)することが可能です。

(自動で開閉操作送電を行うので短時間でB〜C間の切り離しと他区間の停電が解消します。)


現在の配電自動化開閉器装柱で、丸型機器が開閉器の操作を行う遠方制御器(配電子局)です。

遠方制御器は制御機能による状態監視と自動開閉制御を行います。

設備事故時には事故捜査機能により事故区間を区分します。

開閉器上部の高圧結合器で重畳した信号を遠方制御器に送り(配電線搬送方式)ます。

(配電親局は制御所(事業所)の配電自動化システム主コンピューターです)

遠方制御器の電源変圧器を装柱しています。

遠方制御器の順送電源用です。

逆送電源は低圧本線からとっています。

低圧本線が装柱されず順逆送と2台の変圧器装柱もあります。

昭和50年代の時限式事故捜査方式初期の装柱(後方の装柱)です。

初期型は時限式事故捜査器の操作電源用変圧器(順送と逆送)を2台装柱していました。

現在の電源用変圧器は電灯用(10KV)を装柱していますが、初期型は専用電源変圧器を使用し

電灯(単相)使用でも3相接続する特殊なタイプで、リードブッシングも左中右と正しく3個並んでいました。

また、順送と逆送と2台装柱するため、高圧引下線が計6本になるインパクトのある装柱でした。

写真の変圧器下部の丸型機器が時限式事故捜査器(今の遠方制御器とほぼ同じ型)です。

高圧引下線が6本のため耐塩ピンがいしが、横に並び(目を凝らすと見えるような気が・・)です・・

昭和60年代になると時限式事故捜査器の専用電源変圧器が電灯用変圧器になるなど装柱が変わります。

平成3年から現行システムになります。

昭和60年代からの遠方制御器に高圧結合器で重畳した信号制御を追加しものです。

最新の配電自動化システム装柱(平成23年〜)です。

自動開閉器がセンサー内蔵型となり、制御監視の他に状態計測などより高度な制御が可能となりました。

高度化に伴い丸型の遠方制御器は角型に・・

角型は高速子局とも呼ばれ、多大情報を処理して通信することが可能です。

一部では配電線搬送方式から、光回線など専用の通信線伝送方式も登場しています。

    

・・このまま進むと、そのまま・・スマートグリッドになりますかね??


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